2007年9月29日(土)~30日(日)
堀江校長、川東先生、大圖先生、海野先生の4人が学術発表をされました。
9月29日、30日に札幌コンベンションセンターに於いて、「第16回日本柔道整復接骨医学会学術大会」が開催され、本校からは堀江校長を筆頭に川東先生、大圖先生、海野先生の4人が一般発表をされました。
一日目の29日には大圖先生が、『PIP関節掌側板付着ぶ裂難骨折における safe psition 固定』と題して発表を行い、二日目の30日には、川東先生が『厚生労働省通知平成15年9月9日医政医発 0909001号 「超音波画像診断装置の修道整復師使用について」の検証』と題する発表を、海野先生が『柔道整復師養成施設指導要領、基礎分野における「英語」授業の柔整日常施術英会話に関する一考』と題する発表を行い、そして堀江校長が『柔道整復学のEBM仮説2』と題して学術発表をされました。
【Abstract】柔道整復学のためのEMBが叫ばれて久しい。又机上の理論は所詮理屈にすぎない。又自分の経験や勘を当てにしない事がEBMとしての評価方法といえます。今医学は全ての分野でEBMの波に洗われています。小生はまだ浅学非才ではありますが、柔道整復学の捻挫理論構築のための論文作成手順を発表したく思います。若い柔整学究の徒に少しでもプラスになればとここに筆をとった次第であります。
【Abstract】事案は、岐阜県在住の柔道整復師が施術所において超音波画像診断装置を使用したことについて、西濃地域保健所長が西濃第1号156号通知により「施術所において柔道整復師は超音波画像診断装置を使用してはならない」と通知を出しその根拠(参考)として、平成14年3月2日岐阜県医師会からの照会に対し県医療整備課回答平成14年4月12日「1、超音波検査は、柔道整復は行うことができない行為である(医業類似行為で医行為にあたる、電気光線機具とはことなるものである。(厚生労働省医事課確認)2、3(略)。4、柔道整復師による超音波画像診断装置やレントゲン撮影は、諸法に抵触する可能性が高い。及び厚生労働省平成11年医療監視等講習会質疑応答での質疑21、柔道整復師が超音波画像診断装置を使用することの可否について、健康政策局医事課回答:超音波検査は臨床検査技師、衛生検査技師等に関する法律第2条1項、第20条の2第一項等の規定より、診療の補助行為と位置付けされている。したがって、柔道整復師が当該検査を行うことを業とすることはできない。医業類似行為、医行為、業、医業等の文言及び法令や判例による前提定義・解釈、行為定義・解釈が行政機関及び医療・保険・福祉等の関係各位等と明確に共有認識されていないことが最大の原因の一つであり、誤解を生む素地と考えられる。柔道整整復自身の認識・意識に関わる努力も必要であるのは言うまでもない。よって、西濃地域保健所所長の誤解・誤認の基に出された行政通知を通し、柔道整復師の超音波画像診断装置の使用について法令的な側面より検証した事項を研究報告する。
【Abstract】手指PIP関節賞側板付着部裂難骨折は発生頻度の高い外傷の一つであるが、患者には治療の必要性を軽視されやすく、固定法もPIP関節を屈曲位と様々であり、予後に骨癒合不全による掌側不安定性、運動痛及び関節拘縮を残すことがある。今回、我々はPIP関節掌側板付着部裂難骨折22症例(男性5名、女性17名)を対象にPIP関節屈曲位にて掌側板を中枢から末梢へむけて圧迫し整復操作を行った後、機能解剖に基づき骨片転移の予防かつ拘縮の予防に適する safe position 固定(MP関節屈曲位、IP関節伸展位)を施し、その固定の有効性を調査した。固定期間は平均3週間とし受傷から治癒に至るまでの期間は4~5週間と良好な結果が得られたので報告する。
【Abstract】柔道整復師養成施設における教育は、柔道整復師養成施設指導要領に則り基礎分野、専門基礎分野、専門分野の3区分されている。3区分の一つである基礎分野は、柔道整復師養成施設指導要領の指定規則別表第二基礎分野に定められており、教育内容は「科学的思考の基盤人間と生活」であり、教育の目標を抜粋すると「科学的・論理的思考力を育て、人間性を高め、自由で主体的な判断力を培い、国際化及び、情報化社会に対応できる能力を養う」と指導されている。よって、指導要領に示されている教育内容及び、教育目標を達成することを目指し基礎分野における1学科に英語教育を取り入れている。 時間数は、柔道整復師養成施設指導要領に則り1単位16時間とし1年生時に年間80時間5単位と定めた。内容は、解剖学を基盤に解剖用語・人体の位置と方向・体表解剖・骨・筋・靭帯などを担当英語教員の資料などによる項目別に行ってきた。そこで再度、柔道整復師養成施設指導要領の目的である「科学的・理論的思考力を育て、人間性を高め、自由で主体的な判断力を培い、国際化及び、情報化社会に対応できる能力を養う」を授業のどの様に反映させられるかを、再検討することとした。 検討方法は、担当英語教員に柔整教員を加え社会情勢の変化や国際化、国と国との自由貿易協定(FTA)や経済連携協定(FPA)による国境のない人の移動などを勘案し、指導要領に掲げられている教育目標のなかでも特に「自由で主体的な判断力を培い、国際化及び情報化社会に対応できる能力を養う」を反映させた指導書(教科書的な本)と位置づけたものを試作することとした。試作・検討を繰り返し、養成施設での単位・時間数と教育内容等の相関関係を一考しサンプルを作成したので報告する。