学会発表

2006年度 学会発表

2006年11月25日(土)~26日(日)

第15回日本柔道整復接骨医学会学術大会について

《堀江校長、川東先生のお二人が学術発表をされました》

11月25日、26日に京都の明治鍼灸大学に於いて、「第15回日本柔道整復接骨医学会学術大会」が開催され、本校からは堀江校長と川東先生のお二人が一般発表をされました。  一日目の25日には川東先生が、柔整・接骨史分科会カテゴリーの一般発表で『柔道整復師養成施設指導要領、専門基礎分野における「医学史」授業に関する生徒指導書についての一考』と題して発表を行い、二日目の26日には、堀江校長が整復治療手技分科会カテゴリーの一般発表の中で座長を務められ、さらに物理療法分科会カテゴリーの一般発表で『柔道整復学のEBM仮説』と題して学術発表をされました。



■堀江校長・川東先生の一般発表を抄録集より抜粋■
『柔道整復学のためのEBM仮説』
堀江邦郎(さいたま柔整専門学校)
key words:EBM・デカルト科学・後向き研究・前向き研究

【Abstract】EBMとは患者に対して、現在の臨床医学研究から得られる最善のエビデンスを良心に基づき思慮深く使うことと定義されている。  すなわち、あくまで基礎医学の上にたつ臨床医学の学問である。病理学、生理学、生化学、薬理学だけではたして臨床に役立つのか。Invitro(試験管研究)とinvivo(生体研究)の双方のデータが必要なのか。又統計学上の結果の推定がエビデンスとなるのか。柔整学の前に困難を極める。  まして合理性、客観性、再現性からなるデカルト西洋基礎医学の延長線上に置くとすると柔整基礎医学の存在は危うくなり臨床論だけとなる。そうだとすれば理学療法学と違いはどこにあるのか迷路に入る。  又接骨院に腰痛の患者はよく来院する。これも米国のガイドラインの日常生活をする、又治る迄安静にする、又強刺激で痛みをとる等種々の治療がありRCT(RANDUMISED CONTOLLED TRIAL)によるエビデンスは少なくとも数値上は困難となる。  では何をすれば良いのか。  幸いにして開業している柔道整復師は2万を越している。有志で将来の捻挫理論確立のために1.過去の文献、カルテ等を全て洗い出し、柔道整復師独自の普遍的症例を選び出す後向き研究をする。2.柔道整復師は足関節捻挫の治療に整復をしている。整復をする医師は聞いたことがない。この一つでも前向きコホートの研究をする。  古来から続く伝統医学の中にもエビデンスの可能性を忘れてはいけない。

※EBM :「科学的根拠に基づく医療」という意味で用いられるエビデンス・ベースド・メディシン(Evidence Based Medicine)の略語。治療や検査を行う際に重要視される。



『柔道整復師養成施設指導要領、専門基礎分野における「医学史」授業に関する生徒指導書についての一考』
川東 信秀(さいたま柔整専門学校)
key words:医学史、接骨医学史、教育、指導書

【Abstract】柔道整復師養成施設での教育に指定規則別表第二専門基礎分野の範疇である「医学史」(接骨医学史)については、大変な御努力により編集され全国柔道整復学校協会教科書委員会による「柔道整復学理論編」に収録されている。  しかしながら、柔道整復師養成施設指導要領に則る指定規則別表第二専門基礎分野の項における「医学史」(接骨医学史)の単独指導書(教科書)が見当たらなく、各養成施設においては担当されている教員の資料、研究等に委ねられている。  現在、国家試験の出題科目11教科については、南江堂、医歯薬出版株式会社発行書籍が教科書として多くの養成施設で使用されている。  柔道整復師養成施設指導要領においては、指定規則別表第二専門基礎分野における講義は1単位(15時間~30時間)と定められており、養成施設での教育単位を1単位と仮定し、その1単位の時間数(15時間~30時間)を前提として古代医学から平成までの変遷を内容とする「医学史」(接骨医学史)の単独指導書(教科書的な本)があれば、教育効率及び内容が教員・生徒共に共有することができ又生徒の授業後の見直し等についても教員・生徒共に共有できるものと思われた。  そこで今回、研究書ではなく、あくまでも養成施設における生徒教育目的のもので、柔道整復師養成施設指導要領に則った専門基礎分野の範疇である「医学史」(接骨医学史)の指導書(教科書的な本)と位置づけたものを編纂し、養成施設での教育内容等と単位・時間数との相関関係を一考しサンプルを作成したので報告する。



●2006年11月27日
2006年度日本成人矯正歯科学会論文発表について
《中田圭祐先生が2006年度日本成人矯正歯科学会で論文発表をされました》

中田圭祐先生が2006年度日本成人矯正歯科学会で下記の演題で論文発表をされました。  
日本語演題   「Class ・ deep bite 症例に対し上顎舌側装置、下顎唇側装置を用いた治験例」
英語演題   「Class ・ deep bite case treated with the upper lingual and the lower labial appliance」